腕の付け根が痛む

初稿 2025年9月1日

ここで言っている「腕の付け根」は、解剖学的に言うと鎖骨の下で、肩甲骨の烏口突起部です。ちょっと分かりづらいので、写真で部位を出しておきます。

 

この部位に痛みが出る原因は、いくつか考えられるのですが、今回は東洋医学的に

「肺」に問題がある

場合について紹介したいと思います。

東洋医学的な「肺」の症状は、現代医学的には呼吸器の症状と重なることが多いです。現代医学で言うところの呼吸器の症状以外で、東洋医学的には「肺」の症状と考える代表的なものは、皮膚の症状と大便の症状でしょうか。

東洋医学的に「肺」に問題が出ている場合、この「腕の付け根」が痛くなることがあります。ここは、「手太陰肺経」という「経絡」が走行していて、「中府」や「雲門」とう「経穴」、つまり「ツボ」がある部位です。「経絡理論」においては、この「中府」は「肺」の「募穴」とされていて、この「ツボ」に「肺」の状態が反映されやすいとされています。

臨床的には、この部位の痛みだけで、東洋医学的な「肺」の問題とする訳では無く、他の症状や今までの経緯などを踏まえて判断しますが、ひとつの判断要因には成ります。

鍼灸では、「診断点=治療点」と言う場合が少なくないので、治療としてもこの場所を使うことがありますが、今回紹介したいのは、自分での取り組みの際にどのように考えるか?です。

このポイントに痛みを感じやすく、かつ、その原因が呼吸器や東洋医学的な「肺」にあると思われる場合、いわゆる、

心肺機能を強化

することで、この部位の痛みが軽減するかもしれないと言うことです。逆に、この部位の痛みが軽くなったり、痛みの出る頻度が下がったりすれば、心肺機能が変化してきたと考えることができるかも知れないと言うことです。

当然、この情報だけで心肺機能が改善した。と言い切るのは、早計だと思いますが、ひとつの手軽な判断基準としては、良い材料になると思うので、活用してみるのも一つの手だと思いますよ。

 

2025年09月01日