安全性(神経・血管・皮膚)
初稿2024年12月21日
安全に施術するための医学知識と鍼灸技術を持って治療に臨んでいますが、残念ながら絶対はありません。

まず、鍼が神経を傷つける可能性ですが、かなり低確率ですが、可能性はあります。低確率の理由は、体内にある神経は、激しく運動しても、ストレッチしても切れないことからも、弾力性に富み、比較的に丈夫な組織であることは想像できると思います。その丈夫な組織を体内の目視確認できない状況で貫いたり傷つけたりするのは非常に困難です。また、神経に当たった瞬間に、頑丈なものに触れたのが分かりますし、患者さんもビリッとしたり、何がしかの強い感覚が起きて、声が出たり、無意識にその部位が動いてしまったりするので、当然、そのような反応があれば施術を止めて鍼を抜きます。このようなことから、神経を大きく傷つけることは、まず起こりません。もし、軽度に神経を傷つけてしまった場合は、1・2週間くらい違感覚や熱感のようなものが出ると言われていますが、その後、感覚は正常化してゆき治ってゆきます。
次に、血管を傷つける、つまり内出血や出血ですが、この確率は神経を傷つける確率と比べれば、比較的に高いと思います。出血しやすい体質の方などが起こりやすいと言われますが、私はそれよりも、コリなどで鍼を刺す部位が凝っていて鬱血していると、その部位の細い血管もおそらく鬱血して脆くなっている可能性が高いと思っていて、鍼が直接刺さらなくても、血管が破綻しやすいのではないか?と考えています。しかし、この状況は、基本的には、かなり末端の血管で起こるはずなので、大きな出血になることは無いはずです。さらに、出血すれば、鍼を抜いた後に圧迫止血しますので、出血はとまります。しかし、人によっては、思ったよりも内出血が強く出てしまうことがありますので、翌日以降に内出血した部位を軽くマッサージして血流をよくして貰えると、早く内出血が消えることが多いです。ちなみに、動脈は心臓の拍動に併せて動いていますし、かなり頑丈にできているので、本当に鍼は刺さりません。
次に、施術後の皮膚から感染症などが起こる可能性ですが、これもかなり低確率です。鍼を皮膚に刺せば、皮膚が傷つきますが、使用している鍼がそもそも細いのと、鍼の形状が円錐形なので、皮膚を切っているというよりも、皮膚に刺しこんでいるという感じなので、傷口がより小さくなり、塞がりやすいことが感染症が起こりづらい理由です。しかし、感染が起こりやすい状況を鍼灸治療直後に作ってしまえば、リスクが上がってしまいますので注意が必要です。