三養制宜

三養制宜(さんようせいぎ)とは、「食事・運動・睡眠という3つの養生要素を、その人の状況に応じて適切に調整する」と定義します
ここでは、三養制宜の三養、つまり、食事療法のことである食養、運動療法のことである動養、睡眠療法のことである眠養について紹介してゆきます。

食養

 

今後、いくつかの養生方法を紹介してゆくつもりですが、人によって、難しい・易しいの違いや、やりやすい・やりづらいの違いなどあるはずですので、取り組みやすいものを取り入れてもらえると幸いです。

内容予定:当院簡易版自律訓練法、基本姿勢や呼吸や心情、基本養生(擦腎など)、基本練功(第一第二)、内功五法(両儀功、懸肢貫指功)、老小架・軟架子、、ストレッチ、医療練功、基本的な食事への姿勢、マクロビオディックの基本など。

投稿済み内容
・三養制宜の具体的な養生方法紹介
当サイト簡易版自律訓練法
・マクロビオティック的な飲食物分類

 


初稿2025年4月3日

三養制宜の具体的な養生方法紹介

本来は、紹介する人の体質や症状から、養生方法として適していると思われるものを選んで提案するが、ここでは、季節や気候などによって紹介できる比較的に一般的な養生方法を紹介する。

季節に応じた三養(因時制宜)
(陽気が上昇)は、芽吹きの食材(発芽玄米、春野菜)、伸展系の運動(ストレッチ、太極拳)、早寝早起き、適度な昼寝を心がける。
(陽気が極盛)は、体を冷ます食材(苦瓜、スイカ)、発汗を促す運動(ウォーキング、軽いジョギング)、夜更かしし過ぎず、昼寝で補うように心がける。
(陰気が上昇)は、潤いを与える食材(白きくらげ、梨)、ゆったりした運動(ヨガ、呼吸法)、徐々に早寝を意識、深い眠りを意識する。
(陰気が極盛)は、温める食材(根菜、羊肉、生姜)、筋力維持の運動(スクワット、気功)、早寝遅起き、睡眠時間を確保する。

時間帯に応じた三養(因時制宜)
午前(陽の気が上昇)は、軽めの食事(温かいおかゆ、果物)、活発な運動(ウォーキング、ランニング)、早起きで日光を浴びる。
午後(陽が陰に転ずる)は、バランスの取れた食事(穀類、野菜、適度なたんぱく質)、緩やかな運動(ストレッチ、気功)、昼寝は20分以内(特に午後3時まで)にする。
(陰が深まる)は、消化の良い食事(スープ、温野菜)、軽いストレッチ程度、就寝前のリラックス(足湯、深呼吸)を行う。

環境に応じた三養(因地制宜)
(風の強い環境)は、体を温める食材(生姜、ねぎ)、無理に風を受けない(屋内運動)、睡眠時に風の侵入を防ぎ、頭部を温める。
(暑熱環境)は、清熱の食材(苦瓜、緑豆、スイカ)、朝夕の涼しい時間に運動、通気性の良い寝具で深部体温を下げる。
(湿熱環境)は、利湿の食材(ハトムギ、冬瓜)、発汗を促す適度な運動、除湿を意識した寝室環境。
湿(湿気が多い環境)は、健脾利湿の食材(豆類、陳皮)、関節を冷さない運動(ヨガ、太極拳)、寝室の湿気対策(除湿機、通気)
(乾燥環境)は、潤いを補う食材(白きくらげ、はちみつ)、関節を動かす運動(関節ほぐし体操)、寝室の加湿を意識し、鼻やノドを保護
(寒冷環境)は、温める食材(羊肉、生姜、にんにく)、体温を上げる運動(スクワット、ウォーキング)、睡眠時に防寒を意識し、特に足を温める

個人特性に応じた三養(因人制宜)
(高齢者)は、消化にやさしい食事(温かいスープ、発酵食品)、軽めの運動(太極拳、散歩)、質の良い睡眠を重視(夜間頻尿対策)
(若年者)は、活力を補う食材(雑穀、ナッツ、肉類)、運動量を確保(スポーツ、ランニング)、適度な活動で熟睡を促す
(男性)は、血を補う食材(レバー、黒ゴマ)、筋力を維持する運動(筋トレ、有酸素運動)、深い睡眠を確保(ストレス管理)
(女性)は、鉄分・カルシウムを補う食材(黒豆、小魚)、柔軟性を高める運動(ヨガ、ティラピス)、ホルモンバランスを考慮(睡眠時冷え対策)
(瘦せ型)は、滋養を補う食材(ナッツ、肉類、黒糖)、体を強くする運動(適度な筋トレ)、睡眠時間を長めに確保(エネルギー温存)
(肥満傾向)は、低カロリー高栄養の食材(豆類、野菜)、脂肪燃焼を意識した運動(ウォーキング、サイクリング)、睡眠の質を改善(いびき、無呼吸対策)

 


2023年3月22日初稿

当サイト簡易版自律訓練法

自律訓練法とは、必要に応じて、心身ともにリラックスした状態をつくりだす方法とされている。この方法を習得することで、慢性的なストレス状態に陥ることが無くなり、イライラや不眠などの症状が軽減するとされる。
ここでは、自律訓練法を簡易的に行う当サイト版を紹介するが、自律訓練法自体は、前世紀はじめに心身症の治療法としてドイツで確立された方法で、次のような効用があるとされている。
①蓄積された疲労を回復することができる
②イライラせず、穏やかな気持ちでいられる
③自己統制力が増し、衝動的行動が少なくなる
④仕事や勉強に対する集中力がつき、能率が上がる
⑤身体的な痛みや精神的な苦痛が和らぐ
⑥内省力がつき、自己向上性が増す
こうした効用からも分かるように、自律訓練法は、ストレスの緩和・解消法としても有効な手段で、能力開発の方法としても非常に期待されている。
興味のある方は、正式な自律訓練法を学んでみると良いと思う。

準備

時間:睡眠前
姿勢:仰向けで全身の力を抜く
環境:ゆっくり眠れる環境で行う

導入

上記の状況を作ったのち、「気持ちが落ち着いてリラックスしている」と思う。
何をもってリラックスしているか?というのは、人によって違うと思うので、リラックスしている時を思い出したり、リラックスしている時に感じる感覚を思い出すようにすると良い。

重く感じる

まず、「右足が重くなるように感じる」。重く感じたら、次に「左足が重くなるように感じる」。重く感じたら、次に「右手が重くなるように感じる」。次に「左手が重くなるように感じる」。四肢が重く感じたら、次に「体幹が重くなるように感じる」。次に「頭が重くなるように感じる」。これで全身が重く感じていることになる。
あまり深く考え過ぎずに、重く感じたら次に進んでゆく。

軽く感じる

まず、「頭が軽くなるように感じる」。持ち上がりそうな感じというか、力が抜ける感じというか、軽く感じたら次に進む。次は「右手が軽くなるように感じる」、次は「左手が軽くなるように感じる」、次は「右足が軽くなるように感じる」、次は「左足が軽くなるように感じる」、最後に「体幹が軽くなるように感じる」。
これも深く考えずに行う。

消去動作

自律訓練法を終わる時には、この消去動作を行うようにする。
まず、両手で握りこぶしをつくり、グーとパーをくり返す要領で、ゆっくり開いたり握ったりを4・5回繰り返す。その後、両手を握ったまま腕を3・4回曲げ伸ばし、グーッと大きく背伸びをしながら2・3度鼻から深呼吸して、最後に目を開ける。

ポイント

寝る前に行って、そのまま寝てしまっていいし、毎日10分程度行ってみても良い。
あまり深く考えずに、気楽にリラックスする方法としてやってみるとイイと思う。

 


初稿2024年11月18日

マクロビオティック的な飲食物分類

陰陽属性

  運動 方向 野菜 動植物 味覚
陽性の特徴 収縮 求心 根菜 動物 塩味
陰性の特徴 拡散 遠心 葉物 植物 甘味

※陰陽は相対的なものなので、比較対象に気を付けましょう。

(つづくか未定)