背中が痛い(肩甲骨の間)
初稿 2025年8月25日
ここで言っている背中は、
上背部とよく呼ばれる場所のことで、医学的には胸椎1-7番目の周囲の事です。
この辺りは微妙に手も届きませんし、ストレッチも効いているのか、効いていないのか、良く分からない場所ですよね。自分でどうにかするなら、この部位に影響が出るように首を動かすことで、ストレッチと言いますか、運動と言いますか、取り組みになりますが、もし、首が痛かったり、首自体にトラブルがあると、それもできません。
ですので、
この肩甲骨の間の上背部は、鍼灸治療に向いている部位の一つ
と思います。
この上背部の痛みは、いろいろと原因が考えられます。当然、たくさん使っていれば、オーバーユースや疲れでコリが出て、痛くなることもあるでしょう。いわゆる、使い過ぎや疲労であっても、鍼灸の角度から考えると、臨床的に特定の臓腑に問題があることが多いです。
それは、左なら「心」、右なら「肝」です。
鍼灸で表現している「心」や「肝」は、現代医学で言うところの心臓や肝臓とは、意味合いが少し違いますが、ザックリいうなら、ここでは、「心」は循環機能で、「肝」は血液調節機能です。
※本当は、東洋医学的な表現はいろいろと意味があるので、興味のあるかたは、勉強してみてください。結構、面白いですよ。
例えばですが、この記事を書いている現在は、2025年8月25日です。今日もかなり暑いですが、体温調節のために大量に汗をかきます。汗の元は、血液です。つまり、汗を大量に体内から出すと言うことは、大量に血液の一部を外部に出していることになります。そして、普段通りに全身の血液循環はしなくてはいけません。つまり、血液を汗として外に出す分と、普段の循環分を足したものが、夏の間は「心」は循環させなくてはいけません。つまり、汗を大量にかかない季節と比べれば、「心」の負担が大きいと言うことです。人体は「臓腑」に問題が出たりするとその周囲の筋肉が緊張する傾向がありますが、心臓からでた大きな血管は背骨の左側を走行しているので、左の背中が緊張する傾向が出るようです。
このような感じで、「心」の不調は左背中に、「肝」の不調は右背中に痛みが出ることが多いんですね。
このように鍼灸の観点から症状を考えて、痛い部位自体にも施術しますが、原因と思われるものに対しても、施術や生活習慣への取り組みを状況に応じて考えてゆきます。