ちょっと良くない赤ら顔
初稿 2025年8月15日
東洋医学の考えに「整体論」と言うものがあります。これは、身体はパーツを集めただけのものでは無く、全体として一つの融合体として作用している、という理論ですが、この考えから、身体の一部も身体全体の現象を反映しているはず、と考えます。これを「全息論」とか言ったりします。
つまり、
身体の一部は身体全体の反応に応じて変化している。
ということです。
この理論があるので、脈を診て全身の状態を考えたりするわけですが、顔面からも同様に情報を得ます。

今回は、赤ら顔についてですが、
まず、
元々からある「赤ら顔」は、あまり問題になることは無いです。これから紹介する内容に当てはまるかも知れませんが、基本的には病的ではなく、正常範囲内の場合が多いです。
今回取り上げる「赤ら顔」は、①顔面がまだらに赤くなる、②顔面が全体的に赤くなる、の二つについてです。
これら以外にも、特定の部位、例えば頬だけ赤くなるとか、おでこだけ赤くなりやすいとかありますが、今回は二つの例について、お話ししましょう
①顔面がまだらに赤くなる
これは、東洋医学で言うところの「内熱」と呼ばれる状態の場合が多いようです。いわゆる「熱がこもっている」状態で、鍼灸では臓腑のどこかが熱を持っていると考えます。
たとえば、前日に普段食べないのに焼肉をたくさん食べたりすると、腸内が炎症のような状態になることがあって、そんな時には熱がこもって、寝つきが悪くなったり、赤ら顔になったりすることがあります。
単純に、この話だけなら治療は必要ありませんが、この状態がつづいてしまったりする場合は、何かの原因があって、赤ら顔の状態がつづいてしまっていることになるので、何らかの治療や取り組みが必要でしょう。
ここでは、鍼灸などの東洋医学的な話をしているので、鍼灸や漢方でのとりくみがしやすいような説明の仕方になっていますが、現代医学的な取り組みでも、何も問題はありません。ただし、現代医学的な解釈は、今説明したものとは違うので、その点は注意が必要です。
②顔面が全体的に赤くなる
これは、東洋医学的には「発熱」の状態です。正常なものも多くて、緊張したり、運動したりしても、顔全体が赤くなるでしょう。問題は、そのような正常に体温が上がるような状況ではないはずなのに赤ら顔になっている時です。
その代表的なものは、いわゆる風邪です。
いわゆる風邪ではなく、顔全体が赤くなるのは、東洋医学的には「心」や「腎」の問題が多いようです。昔、炭水化物抜きダイエットが流行ったときに、普段は肉を食べないのに、ダイエットとして肉しか食べない生活をしてしまった人に赤ら顔が起こっていました。当然、皆さんがなる訳では無いのですが、私の考えは、急激な動物性たんぱく質の過剰摂取(その人にとっての)によって、腎臓に負担が増え、かつ、動物性脂質が普段よりも過剰に体内へ入ることによる体温の上昇などが起こり、顔面が全体的に赤くなるのではないか?と考えています。その赤ら顔が続いてしまうのは、臓腑のどこかに炎症のような状態がその後に起こってしまうからで、その炎症のような状態が軽減してゆかないと、赤ら顔は収まりません。
そして、
この赤ら顔は、あまり良くないです。
どのような取り組みになるかは、熱を発している臓腑などに対して行ってゆきますが、一点、かなり注意した方が良いことがあります。
それは、
さらに熱を帯びる可能性の高い飲食物を止めることです。
これは、本当に大事なので、注意した方がよいと思います。