「鍼医小学」の意味と解釈

初稿 2025年6月20日

一. はじめに

「鍼医小学」という造語は、鍼灸師が医学・医術・医業に取り組むための提言をまとめた内容の総称として考えた。そのコンセプトを踏まえ、この造語の持ちうる意味や解釈を整理・拡張した。

 

二. 「鍼医小学」の意味や解釈

(一) 鍼灸の基礎理念をまとめた指針

「鍼医小学」という名称は、「鍼灸師としての基本的な心得や理論や実践の指針」を示すものである。「小学」に「基礎」や「入門」のニュアンスがあり、鍼灸師が医術を学ぶ際の第一歩となる哲学や倫理、技術の基本原則をまとめた提言集としての意味を持たせています。例えば、患者との向き合い方、鍼灸の効果を最大化するための基礎準備、または現代医学との調和を意識した実践ガイドなどを提案してゆくかもしれない。

(二) 鍼灸師の職業倫理の教科書

「鍼医」を鍼灸師の専門性、「小学」を初学者や実践者向けの教本と解釈することで、この造語は鍼灸師が医業に携わる上での倫理や責任を強調した提言集を意味するとも捉えられる。例えば、患者の信頼を得るための態度、治療の安全性、継続的な学びの重要性など、鍼灸師としてのプロフェッショナリズムを養う内容を提案してゆくかもしれない。

(三) 医術と医業のバランスを説く提言

鍼灸は単なる技術(医術)だけでなく、患者の健康を支える職業(医業)としての側面も強い。「鍼医小学」は、技術の習得だけでなく、医業としての社会的役割や患者とのコミュニケーション、ビジネスとしての運営(例えば治療院の経営)まで含めた、総合的な提言を目指している。この場合、鍼灸師が「治療者」としてだけでなく「医療提供者」として成長するためのガイドとなると嬉しい。

(四) 現代における鍼灸の再定義

「鍼医小学」という名称には、伝統的な鍼灸を現代の医療環境に適応させる意図が込められている。内容的に、例えば科学的エビデンスに基づく鍼灸の実践、現代医学との連携、またはグローバルな視点での鍼灸普及を目指すものが提案できた場合、この造語は「新しい鍼灸の基礎」を築くためのマニフェストのような役割を果たすかもしれないと考える。

(五) 学び直しのための普遍的な教え

「小学」には「初歩」や「基本に立ち返る」という意味合いを持たせていて、経験豊富な鍼灸師も含め、すべての実践者が定期的に振り返るべき「鍼灸の本質」をまとめた提言集となることを考えている。技術や知識が深まるにつれて見失いがちな、鍼灸師としての原点を再確認するための内容を含ませてあるつもりである。

 

経絡人形と鍼

 

 

三. 造語としての魅力解釈

(一) 「鍼医」

鍼灸師の専門性を強調し、単なる技術者ではなく「医」の精神を持つ存在としての誇りを表現しようとしている。

(二) 「小学」

謙虚さや学びの姿勢を象徴し、どんなに経験を積んでも基本に立ち返ることの大切さを示唆している。この言葉の選び方は、できるだけ、提言の内容に普遍性と親しみやすさを持たせようと試みている。

(三) 全体の響き

漢語的な響きが、伝統と格式を想起させつつ、現代的な提言集としての新鮮さも兼ね備えているようにしている。直属の後輩たちにとって「座右の書」的な存在になってくれることを目指している。

 

2025年06月20日