高インピーダンスと低インピーダンス
【注意】趣味の隠し部屋の記事は、基本的に素人がレスポールタイプのギターをいじってみた個人的な備忘録ですので、その辺を踏まえて情報を活用して頂けると幸いです。
初稿 2025年6月27日
エレキギターの話のなかで、インピーダンスの話を聞いたことはあるだろうか?
何だか、私は良く分からなかった。
ので、まとめてみた。
エレキギターにおける
高インピーダンスと低インピーダンス

✅ インピーダンスは「電流(信号)の流れにくさ」
・水に例えると、インピーダンスは、ホースの太さや細さや詰まり具合。
・インピーダンスが高いと、電流(=音の信号)が流れにくくなる。
✅ ギターでの意味
・ピックアップは、多くが、高インピーダンス出力
・出力電圧は大きいが、信号を「押し出し続ける力」は弱い。
・ → ケーブルが長い/アンプ入力インピーダンスが低いと、高音が減衰しやすい。
✅ 低インピーダンス(ロー出力)の利点
・アクティブPUやバッファを介した出力は低インピーダンス
・信号がスムーズに流れやすくなり、高音もクリアに届く。
・ケーブルの長さに強くなり、音の変化が少ない。
・出力電圧が低めでも、安定性と忠実性が高いとされる。
✅ 出力の大きさとインピーダンスは別物
・「出力が大きい」は電圧の振幅が大きいという意味。
・高インピーダンス=高出力とは限らず、巻き数や磁束変化の大きさが主因。
・インピーダンスはあくまで「伝送のしやすさ」に影響する要素。
表現が正確ではないが……
ピックアップが作るのは、主に「電圧」で、これは水で言うところの「水圧」のようなもの。
しかし、水圧があるだけでは多くの水は流せず、水量が必要になる。パイプが細ければ、水量が稼げずに、水の勢い(=電流)は弱くなる。
このパイプの太さを、電気の世界では「インピーダンス」と呼ぶ。
エレキギターにおける電気回路のインピーダンスが高いというのは、細いホースで水を送ろうとしているようなもので、ケーブルが長かったり、アンプが相性悪かったりすると、水(信号)が弱くなり、安定的に必要量の水(信号)が送れない。
つまり、太いホースを使えばいいわけだが、この、ホースを太くする取り組みを「低インピーダンス化」という。
インピーダンスとは信号(水)の送りづらさの指標とも言えるので、水(信号)の送りづらさが軽減する(低くなる)ので、「低インピーダンス化」と言う。
✅ 音に与える具体的な影響 要素
要素 | 音への影響 |
---|---|
高インピーダンス | 長いケーブルや、低入力インピーダンスで高音が失われやすい。 |
低インピーダンス | 広域までクリアで、安定した信号伝送ができる。 |
インピーダンス・ミスマッチ | アンプやエフェクターとの、相性が悪いと、音が「くもる」「小さく感じる」 |
※インピーダンス・ミスマッチとは?
一言で言うと、信号をロスなく、効率よく伝えるために、出力側と入力側のインピーダンスの「相性」を合わせること。俗に言う「ロー出し、ハイ受け」にすること。
ギター側は、ロー・インピーダンス(ロー出し)、アンプ側は、ハイ・インピーダンス(ハイ受け)。
具多的には、ギター側に対して、アンプは10倍以上のインピーダンス。
出力側(送り手) | 入力側(受け手) | 状況例 |
---|---|---|
パッシブPU(10KΩ程度) | アンプ(1MΩ程度) | ✅ 一般的な「ロー出し・ハイ受け」 |
アクティブPU(1KΩ以下) | エフェクターやアンプ | ✅ 非常に安定した「ロー出し・ハイ受け」 |
バッファ後(数百Ω) | 大きなボード or 長いライン | ✅高音の劣化を防ぐために使われる |
ギター ➡ マイク入力 | ❌「ハイ出し・ロー受け」 | 音量が下がる・高域が削がれる(NG) |
✅ 実用的ヒント
・パッシブPU、つまり、高インピーダンスのPU使用時
➡ 短めで低キャパシタンスなケーブルを使うと高域が保たれる。
➡ 最初にバッファやプリアンプを入れることで、信号の安定性が向上。
・アクティブPU、つまり、低インピーダンスPU使用時
➡ 長いケーブルや多段エフェクトにも強い。